缶サット甲子園2018 全国大会 総評

次世代宇宙システム技術研究組合 理事長 山口耕司



缶サット甲子園2018 全国大会が大会関係者の皆様の努力、ご支援いただきました企業のみなさまのおかげをもちまして、第11回を無事に終えられたことを喜びたいと思います。

また、各地方大会を勝ち抜いた10校の皆さんは、すばらしいレベルでの健闘をされ、全国大会にふさわしい大会となったことへ、深く敬意を表したいと思います。

 

審査にあたりましては、様々な視点から点数をつけていくのですが、缶サットの開発に挑む意欲・情熱の面では、優劣をつけられないほど各チームの取り組みは素晴らしく、非常に苦しい思いをしました。

 

技術面についても、経験のあるチーム、ないチームともに高校生とは思えないほどレベルが高いと思いました。現在は、我々が高校生のころでは想像できないほど豊富な技術があり、様々な組み合わせでいろいろなことを可能にできるとても素晴らしい時代となりました。どうか多くの技術の組み合わせを学んで、それで何が可能になるのかを若い頭で考えていってください。そして出てきたアイディアを是非教えてください。

細かな技術の面では、ロケットで打ち上げる際の加速度(G)に対する対策が共通の課題かなと思いました。打上の加速度や衝撃は、ひとつひとつの部品、配線に力がかかります。部品や配線にその質量の100倍の加重がかかると想像し製作していくとよい結果につながると思います。

 

宇宙技術のような新しい技術を開発することは、初めからうまくいくことはありません。誰もやったことがないのですからうまくいかないのが当たり前です。ですから、開発の途中で失敗することは、恥ずかしいことでも責められることでもなく、その失敗の積み上げのうえに成功があるということを前提に、新しいことに挑戦してください。

何年か後の皆さんと、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

 

最後に、大会開催にあたり、多くの時間を費やしてくださいました関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。