缶サット甲子園2017 開催の御礼

「理数が楽しくなる教育」実行委員会 会長 山崎直子



缶サット甲子園2017全国大会は、今年で第10回目の節目を迎えました。各地方大会を勝ち抜いた 10校の皆さんは全国代表にふさわしい健闘をされました。深く敬意を表したいと思います。

運営にあたりましては、各地方大会事務局の皆様や、会場のご提供とともに共催としてお力添え 下さった日本大学の青木義男先生、宮崎康行先生をはじめ皆様、ご後援の宇宙航空研究開発機 構(JAXA)、ご協賛の株式会社IHI及び株式会社鯤コーポレーション(サガンコート)の方々、熱心に ご指導くださった各高校の先生方、そして歴代の関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

    今年の全国大会では、以下の点が新しくなりました。

  • 技術賞を、これまで会長としてご尽力下さった土岐仁先生のお名前を冠し「土岐賞」としました。
  • 打上げキャリアは、全国大会でも自作可能としました。
  • JAXAの後援を頂くと共に、優勝校は欧州宇宙機関(ESA)缶サット大会へのゲスト参加出場権が得ら れることになりました。世界の同年代の高校生たちと競い合う貴重な機会になることを祈念しています。

準備が遅れ気味でご迷惑をおかけしたこと、至らない点もあったことと思います。反省点を踏まえ、 引き続き、大会をより実りあるものに創り上げていきたいと思います。

 

缶サット甲子園は、課題は与えられるのではなく、生徒自らが設定することに特徴があります。 優勝した法政第二高等学校は「山岳遭難者の位置特定」を課題とし、1号機と2号機を分離させビー コン距離を測る技術に挑戦した点、地上試験を大切にしていた点が評価されました。

準優勝の和歌山県立桐蔭高等学校は、「缶サットの位置・姿勢情報のセンサフュージョン」を 課題とし、リアルタイムで可視化する高い技術が評価されました。その技術をどう活かしていくか、 次のステップに期待しています。

そして、土岐賞の岐阜県立可児工業高等学校、サイエンス賞の静岡県立浜松西高等学校、プレゼン テーション賞の和歌山県立向陽中・高等学校および敬愛高等学校、皆さんのレベルの高さに感銘を受けました。

なお、開智高等学校は初の全国大会参加でしたが、センサーから確実にデータを取得すること、 複数搭載しているセンサー値の誤差解析など、基礎技術の習得に注力していました。机上で理解することと、 実際に手を動かすことの間には大きな差があります。何事もやってみることで分かることがあります。 その挑戦の気持ちと、今回得た学びを大切に、次に繋げて欲しいと思います。

 

地方大会、全国大会に参加された生徒さんは、今回の体験を通じて得た学びを、是非今後の歩みに 活かして下さい。そして、後輩や、今後新しく缶サット甲子園に挑戦しようと考えている高校にも体験を 伝えていって下さい。お互いに切磋琢磨の輪を広げていきましょう。

 

この十年間缶サット甲子園を切り盛りしてきた事務局長の秋山演亮先生、監事の長田奉公氏へも敬意 を表します。そして、関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。

今後ともご指導・ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。